研究論文が国際誌 Neurobiology of Learning and Memory に掲載されました

2023-04-26

本学情報電子システム工学科髙島一郎教授の研究論文が国際誌 Neurobiology of Learning and Memory に掲載されました。
論文名は「Hippocampal-prefrontal long-term potentiation-like plasticity with transcranial direct current stimulation in rats」(経頭蓋直流電気刺激tDCSによる、海馬-前頭前野の長期増強様可塑性)です。
国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究です。


掲載論文はこちら(無料)。
https://doi.org/10.1016/j.nlm.2023.107750


【論文のポイント】
記憶に関係する脳の2つの領域、「海馬」と「前頭前野」の神経結合について調べました。本研究では、この2つの脳領域の活動を活性化させつつ、外部から脳に微弱な電流を流す(tDCS法)と、それら記憶関連部位の間の神経結合が長期間にわたって増強される現象を発見しました。この結果は、記憶トレーニングを行いながら、脳に微弱な電流を流すと、より大きな効果が得られる可能性を示唆しています。今後、認知症などにおける記憶機能の改善に、本技術が貢献できるかどうか研究を進める予定です。
*経頭蓋直流電気刺激法tDCS(transcranial Direct Current Stimulation)とは、電極を頭皮の上に置き、脳に微弱な電流を流すことで神経活動を変化させる技術です。脳卒中後の運動機能障害の改善、うつ病や統合失調症の治療、認知機能の向上などの効果が期待されており、臨床応用が始まっています。