研究論文が国際誌 Brain Research に掲載されました
2025-01-06
本学情報・AI・データサイエンス学科高島一郎教授の研究論文が国際誌 Brain Research に掲載されました。
論文名は「Clemastine enhances exercise-induced motor improvement in hypoxic ischemic rats」(クレマスチンは低酸素虚血ラットの運動誘発性運動改善を促進する)です。
筑波大学・後藤太一大学院生(兼 学振特別研究員)、産業技術総合研究所・九里信夫先生らとの研究成果です。
掲載論文はこちら(無料)。
https://doi.org/10.1016/j.brainres.2024.149257
【論文のポイント】
周産期の虚血(血流不足)や低酸素(酸素不足)によって脳がダメージを受けると、新生児には運動障害ほか様々な後遺症が残る可能性があります。本研究では、新生児低酸素性虚血性モデル動物を用い、運動トレーニングにクレマスチン(*1)投与を併用することで、運動機能が有意に改善することを明らかにしました。本研究は今後、脳損傷後の運動トレーニング効果を最大化するクレマスチン投与法を検証するなど、新生児低酸素性虚血損傷後の運動機能改善に対する有効な治療戦略の開発へと繋がることが期待されます。
(*1) クレマスチン:既存の抗アレルギー薬であるが、近年の研究により、神経細胞の髄鞘形成を促進し、白質損傷や認知機能低下からの回復を高める可能性が示唆されている。