お知らせ

本学の建宮准教授が日本経済新聞に掲載されました!!

2013-02-26


↑クリックすると拡大します↑

 

本学の建宮准教授が日本経済新聞に取材をうけて2月19日の夕刊に掲載されました!!

 

以下掲載記事です。

<復興支援で活躍 企業内中小企業診断士の輪広がる自社の経営陣に提言することも>

「中小企業診断士」の資格を持つ会社員の輪が広がっている。経営コンサルタントに関する唯一の国家資格で、社内サークルを作り、会社の枠を超えて交流、社会貢献に乗り出している。自社の経営陣にもの申す人も現れた。本業とは別の“課外活動”が新たなやりがいになっている。

 今月2日、宮城県気仙沼市内の会館の一室。東日本大震災で被害を受け、仮設店舗などで営業中の3つの復興商店街の振興策が話し合われた。「名前は『気仙沼バル』でいきましょう」。桜の季節に合わせ、3商店街を食べ歩きできるイベントの開催を決定。その宣伝がテーマだ。

■手弁当で気仙沼へ

復興商店街の振興策を話し合う中小企業診断士たち(宮城県気仙沼市)
 商店街の代表者と一緒に議論するのは、中小企業診断士の資格を持つ様々な会社の会社員。約10人が手弁当で駆けつけた。中心は三井住友銀行 の川居宗則さん(48)。「まさか自分が復興支援のとりまとめ役をやるとは。2年前には全く考えていなかった」。資格が気仙沼へと導いた。

 中小企業が多い東京都内の支店で法人営業を担当していた4年前、経営も助言できる能力を身につけるため資格をとった。交流を広げようと行内の8人で「三井住友銀行中小企業診断士会」を2011年7月に発足。茶道部などと同じ文化系クラブとして銀行に認めてもらった。

 昨年、気仙沼出身の大学の同窓生から復興商店街が集客に苦労していると聞いた。会の仲間や交流のある他企業の診断士会に声をかけたところ 30人以上が集まった。同9月の現地視察を皮切りに支援に関わる。「銀行員の本業がまずありきだが、商店街の問題に一つ一つ向き合うことで課題解決力を養 える。自分のプラスになり、業務にも生かせる」と川居さん。
 社内で自主的に会を作る動きは広がっている。大手企業だけでも10社以上。06年から資格更新の条件に、中小企業の経営診断などの実務に5 年間で計30日間かかわることが加わったのが一つのきっかけだ。業務外の時間に実務に取り組む難しさを感じる社員で集まり、情報交換をしようと始まる例が 多い。そこから、社会貢献に踏み出していく。

先 駆けは06年創設の富士通診断士会。「仲間を増やして、資格を生かすチャンスを見つけたい」(同会の高鹿初子さん)と19人でスタート。今は100人超に 増え、徐々に社外へ活動が広がった。昨年から帰農を支援するNPO法人と一緒に、北海道と栃木の農家の後継者に事業計画などを助言している。今年は千葉商 科大に講師を派遣し、キャリア教育も手伝う予定だ。

■社会貢献で充実感

 これらは実務ではないボランティア。だが高鹿さんは「もともと意識の高い人たちの集まり。社会貢献に活動が広がるのはうれしい」と話す。

 診断士会同士の交流も盛ん。アサヒグループホールディングスを中心とするアサヒグループ診断士の会(08年設立)は、積極的に他業種と勉強 会を持つ。「我々はビールの売り上げだけで取引先の業績を判断しがち。だが銀行の診断士は借金も含めたバランスシートを見る。システム会社はITを活用し た経営改善の提案をする。自分たちの弱点が分かり勉強になった」と同会の大西隆宏さん(42)。

 診断士の知識は経営全般に及び、大企業にも通用する。そのスキルで自らの会社を“診断”したのがNECグループ診断士会(10年設立)だ。
 設立当初の会員アンケートで「自社の経営改革を支援したい」との回答が上位に入った。同会の鹿島崇宏さん(35)は「出るクイになるかもという危惧はあった。でもスキルを持った人がこれだけいれば、何か会社に貢献できるのでは」と上層部に打診したところ、歓迎された。
 約4カ月間、業務外の時間に20回ほど会合を重ねて提言をまとめ、昨年1月に経営企画担当常務に披露した。内容は「経営幹部による施策決定 のプロセスに早い段階から広く社員を関与させてほしい」「新事業を生む仕組みを作るべきだ」の2点。このうち新事業については既に計画があったこともあ り、社内公募制度として実現。プロセスの透明化も中期経営計画の策定過程で改善が見られたという。

 鹿島さんは会の活動について「やればできるという自信がつき、何にでもチャレンジしようという思いが高まった」と語っている。

■キャリアアップ目的で受験する会社員増加
 社団法人中小企業診断協会(東京・中央)によると、中小企業診断士の受験者は近年増加している。2012年度の1次試験で1科目でも受験した人は1万7168人と、この5年で20%増えた。キャリアアップのために受験する会社員が増えたことが背景にある。

 もともと資格を持つ人は7割が企業に勤める会社員で、独立開業組は少ない。自らも会社員時代に資格をとった第一工業大学の建宮努准教授(経営学)によると、かつては役員登用前に会社の費用で資格をとる人が多かったという。

 それが長引く景気低迷で、新規事業を考えられる能力をつけないとリストラの対象になりかねないとの危機感から、若くても自ら資格取得を目指す人が増えた。建宮准教授は「アベノミクスの成長戦略で新たなビジネスを作ることが促される。診断士の活躍の場は広がるだろう」と見ている。

▼中小企業診断士 中小企業支援法に基づく国家資格。経済学・経済政 策、財務・会計、企業経営理論など7科目の選択式の1次試験と、論述式、口述試験の2次試験などを経て認定する。合格率は4%前後とされる。経営学修士号 (MBA)と同様に、経営全般に関する基礎知識が習得できるとして最近、注目度が上がっている。